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猫城記 (1980年) (サンリオSF文庫)

10/09/2020 12:52:38, , 老舎

によって 老舎
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作者の本は「駱駝祥子」(ロートーシャンズ)を中学生のころ読んだ。意気軒昂としていた青年が残酷な現実に打ちのめされて、誇りを失っていくという社会小説である。リアルな筆致に感嘆したものだ。中国語の城は、「しろ」ではなく「まち」だ。猫の町探訪記。飛行機(宇宙船ではない)で火星に出かけた主人公は、猫人たちに出会う。猫人は中毒性のある迷葉(メイヨウ)に溺れ、自堕落な日々を送っている。主人公が知り合った大蝎(タアシェ)は地主で将軍だという。外出するときは数人の猫人に身体を持ち上げて運ばせる。これが身分の高い者の作法なのだ。首都猫城は、無気力・犯罪・暴力・無知が渦巻く地獄のような巨大スラムだった。大蝎の息子小蝎は主人公に猫国の現状を解説する。本書はSFではない。風刺ユーモア小説だ。有名な作品で言えばスウィフトの「ガリバー旅行記」に近い。だが「ガリバー」のような機知に富んだアイデアはない。ひたすら救いの無い劣った猫人たちの有様を羅列するだけだ。言うまでもなく、猫国は当時の中国である。外からは日本軍の侵略、内では国共内戦に軍閥の跋扈というカオス状態だった。迷葉は阿片だ。メイヨウという音は没有(ない)と同音である。作者は愚劣な習慣に溺れる同胞の姿に悲憤慷慨しているのだ。「外国人コンプレックス」「形式だけの権威にすがる」「優れた思想を輸入しても変なものに変化してしまう」など、辛辣きわまりない。これって現代日本の嫌中屋文化人どもが書く悪口そのままだな。作者は80年も前に本質を見抜いていたのだ。次々と展開する残酷な喜劇は、笑いながら顔がひきつる。中国近代史に特に強いわけではないが、作中の事件が現実にリンクしていることは充分に理解できる。娯楽作としてもSFとしても評価できないが、空想的社会派小説としてはかなりの完成度だと思う。

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